犬を飼う時に、ペットショップや施設のスタッフさんに『肛門腺絞り(こうもんせんしぼり)』について詳しく説明された方も多いのではないでしょうか?しかし、いざ自分で肛門腺絞りをやろうとすると、わからないことばかりで怖くなってしまうものです。
- 愛犬が暴れて上手くできない!
- 素人でもできるの?
などと、自分で肛門腺絞りをやりたくても上手くできない飼い主さんも多いことでしょう。
結局、動物病院でやってもらったり、トリミングの際に一緒にやってもらったり・・・
初めは怖かったですが、徐々にコツをつかんできました。
そこで本記事では、
- 子犬の肛門腺絞りはいつからやる?
- 肛門腺絞りってどのくらいの頻度でやったらいいの?
- 肛門腺絞りを自分でやってみたいんだけど素人でもできる?
と考えている飼い主さんに向けて、肛門腺絞りの頻度やタイミング、素人でも自宅で肛門腺絞りを行う方法を紹介します。
肛門腺絞りを知らないという飼い主さんに向けて、まずは犬の肛門腺絞りについて解説します。
犬の『肛門線絞り』って何?

そもそも、犬の『肛門腺絞り(こうもんせんしぼり)』という言葉すら「聞いたことがない!」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
肛門腺絞りとは犬のお手入れの1つで、
お尻の穴辺りをキューッと摘まんで分泌液を出すこと
をいいます。
僕自身、先住犬を迎え入れるまで肛門腺絞りのことを知りませんでした。僕のように犬を迎え入れてから肛門腺絞りという言葉を聞いたという飼い主さんも多いことでしょう。
肛門腺絞り初心者の方へ向けて、まずは肛門腺絞りについて解説します。
子供の頃に実家で犬を飼っていたけど、肛門腺絞りなんて親がやっているのを見たこともなかったです。
犬の『肛門腺絞り』について
肛門腺絞りとは、名前の通り肛門腺をキューッと指で摘まんで分泌液を絞り出すことをいいます。犬の肛門の左右(だいたい4時と8時の位置)には『肛門腺(こうもんせん)』と呼ばれる臭腺があり、そこには独特なニオイがする分泌液が溜まっています。
この独特なニオイがする分泌液には、
- 犬が自分のテリトリーにニオイをつける
- おしりのニオイを嗅ぎあって挨拶する
- ニオイで個体を識別する
といった役割があります。
そのため、
- 排泄のとき
- 吠えたとき
- 興奮したとき
などに、自然と出るような身体の構造になっています。
犬がお尻のニオイを嗅ぎ合うのにはこんな理由があったんだね!
気になる子がいたらニオイを嗅ぎたくなるんだ!
お互いにお尻のニオイを嗅いだら、相性がいいともいえるよね♪
『肛門腺絞り』必ずやらないといけない?
「肛門腺が破裂するといけないから」という理由で、愛犬の肛門腺絞りをおこなっている飼い主さんも多いかもしれませんが、実は、肛門腺を絞らなくても犬の身体に大きなトラブルがあるわけではありません。
吠えたり興奮したりするとお尻から分泌液が出てしまうのですが、そのニオイがとても臭いので、「人間と一緒に生活するうえでニオイの問題があるために絞る」というのが本当の理由ともいわれています。
いつの間にかタオルや洋服にドロッとした液体が付いてしまっていることもあります。
ですので、愛犬と一緒に生活していて「近くに寄ってくると臭いなぁ」とか「お尻を痒がってるな」と感じたら絞ってあげるだけで大丈夫なようです。
ただし、肛門腺に溜まっている分泌液は、小型犬などの筋力が弱い犬の中には自分で絞り出せない子がいます。実際に我が家の愛犬は、定期的に肛門腺を絞るとドロッとした分泌液が毎回出てきます。
我が家の愛犬のように分泌液の溜まり方には個体差があるので、分泌液が溜まっているかどうかだけでも定期的に確認しておいたほうがいいでしょう。
そこで気になるのが肛門腺絞りをする頻度とタイミングです。次章で説明していきます。
『肛門腺絞り』いつからやる?頻度とタイミング

肛門腺絞りは必ずやらなければいけないケアというわけではありませんが、とても臭い分泌液がでるため、ニオイが気になる飼い主さんは定期的に絞ることをおすすめします。肛門腺絞りをする頻度やタイミングは飼い主が見極める必要があるため、その方法を紹介します。
『肛門腺絞り』いつからやる?
「肛門腺絞りは生後何カ月からやったらいいの?」と疑問に思う飼い主さんもいることでしょう。特に「生後何カ月からやった方がいい」というものはありません。生後2ヵ月でも3ヶ月でも、溜まるようであれば絞ってあげて大丈夫です。
ちなみに我が家の愛犬をペットショップから引き渡してもらう時に、スタッフさんにお手本として肛門腺絞りを見せてもらいました。
生後3ヶ月でしたが、しっかり液体が出てきました。
『肛門線絞り』の頻度
肛門腺絞りの頻度は個体差がありますが、だいたい2週間〜1ヶ月程度を目安とするといいでしょう。先程も述べましたが、分泌液が溜まるのには個体差があって、2週間経って絞ると大量に出る子もいるし1カ月経って絞ってもあまり出ない子もいます。
大型犬の場合は排泄する時に分泌物が一緒に出ることがほとんどですが、小型犬は分泌液が溜まりやすい子が多いそうです。
ぼくは分泌液が溜まりやすいからパパさんに絞ってもらってる。
あたちはウンチと一緒に出ることが多いよ。
『肛門腺絞り』のタイミング
肛門腺に分泌液が溜まってくると、犬は以下のような行動を見せるようになったり症状がでたりしてきます。
- 床にお尻を擦り付けて歩く
- お尻を嗅ぐような仕草をする
- 肛門線がプクッと膨れている
- 犬が近くにいると臭い
分泌液が溜まってくると、だんだんお尻がむず痒くなってきてお尻を地面に擦り付けたり、自分でお尻の臭いを嗅ぐような行動をします。他にも、愛犬が近くに寄ってきて「なんかウンチ臭い…」と感じたら、分泌液が溜まっているサインだと思って良いでしょう。
ただ単にお尻が痒くて擦り付けているだけの時もあるので見極めが難しいですが、お尻を床にスリスリしたら肛門を触ってみて、プクッと膨れている感じがしたらとりあえず絞ってみるといいです。
分泌液が出なくても、繰り返すうちに徐々に肛門腺絞りをするタイミングがわかってきます。
次は肛門腺絞りのやり方を見て行きましょう。
痛くないようにお願いします!
あたちは頑張って我慢します…
『肛門線絞り』やり方と注意点

「肛門線絞りは素人でもできるの?」と聞かれたら、答えは〝YES〟です。多少コツが必要で力加減が難しいところですが、やろうと思えば誰にでもできる犬のケアです。
「自分でやってみたい!」という飼い主さんは、愛犬との絆を深めるスキンシップにもなるのでチャレンジしてみましょう。
怖くてできないと感じたら無理せず動物病院やトリマーにやってもらいましょう。
『肛門腺絞り』のやり方
左手で尻尾を真上に持ち上げる(右利きの場合)
⇓
右手で肛門の4時と8時の辺りを親指と人差し指でつまむ
⇓
上(肛門)に向かって、ゆっくり押し出すイメージで絞り出す
(力の入れすぎに注意)
⇓
分泌物がピュッと出てきたら洗い流す
(分泌物は勢いよく飛び出すことがあるので、お尻の方向に立たないように!)
なかなか分泌液が出ないと、つい強く押してしまい『ギャンッ!』と犬を鳴かせてしまうことになるので、出ないときはあきらめも肝心です。
シャンプーの時に一緒にやるとニオイも汚れも一緒に洗い流せるのでおすすめです。
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『肛門腺絞り』嫌がる犬もいるので注意
肛門腺絞りをする時は尻尾を持ち上げる必要があるので、犬が気にして振り返ってやりにくいこともあります。犬の性格によっては肛門腺絞りが嫌いな子やお尻を触られること自体が嫌いな子も多く、興奮して攻撃的になることもあるので注意しましょう。
そのような場合は、
- 高いところで行う
- お尻にシャワーを当てながら行う
- 口輪を装着して行う
といった方法で犬が大人しくなることがあるので、工夫しながら肛門腺絞りをやっていきましょう。
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また、愛犬と主従関係がしっかりとれていれば、「ご主人になら何をされても怖くないや」と信頼してくれるようになるので、肛門腺絞りがやりやすくなります。
すんなりと肛門腺絞りができるように、しっかり訓練していくことも大切になってきます。
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『肛門腺絞り』ニオイと色
肛門腺から出る分泌液のニオイ、かなーーーーーりキツイです!我が家の愛犬の分泌物は、ガスのようなツーンと鼻にかかる臭いがします。
ですので、シャンプーのついでに絞ったり、お風呂場で絞ってすぐにお尻を洗い流すことをおすすめします。
ほとんどの場合、分泌液はドロッとした茶色や緑っぽい色をしています。初めて肛門腺絞りをする飼い主さんは分泌物が変な色をしていても「これって病気?」と驚かなくても大丈夫です。
ペットショップのスタッフさんに「お尻からエイリアンが出ます!」と言われたのを覚えています(笑)
『肛門腺絞り』いつからやる?頻度とタイミング|まとめ
以上のことを頭に入れて愛犬の肛門腺絞りを行いましょう。あなたの愛犬も信頼できる飼い主にやってもらえれば嬉しいはずです。自分で「肛門腺絞り」ができれば、自然と愛犬との信頼関係も深まっていくことでしょう!
「自分で肛門腺絞りをやってみたい!」と興味がある飼い主さんは、この記事を参考にして是非チャレンジしてみて下さい。